やさしさと光

安寧を祈る

2022.01.14

2022.01.14 21:45

労働を終えた。長い長い労働だった。幸いなことに来てくださったお客さまはやさしいお客さまばかりだった。けれど突然1時間の残業を頼まれ労働終了5分前には行き場のない鬱憤を持ったクレーマーと呼べるお客さまの格好の餌食となった。そんな辛さだって別に今となってはどうだっていい。そう、これから待ちに待った威神Vのシーズングリーティングのひとり開封式をするからだ。

 

実はシーズングリーティング自体は数日前には我が家に到着していた。然し来た当日とその後の数日間わたしにはやるべきことが積み重なっており「そんな片手間で大好きな威神Vのシーズングリーティングを開封したくはない!」という自分の プライドから手元にあるのに開封をしないという状況に至ったのである。素晴らしいものを見るためにはそれ相応の環境・状況を整えなければならない。そんな思いから届いた当日から今日までは店舗特典という素晴らしい文明のトレカを人には見せられないような満面の笑みで眺めることしかできなかった。だが今日すべてのやらなければならないことを終えやっとこのシーズングリーティングを開封することができる権利を得た。

 

紺色のおおきく、すこし重い箱のフィルムに手をかける。綺麗な箱に傷をつけないようにとゆっくりとフィルムを剥がしていく。緊張からか手が汗ばんでいくのに口はどうしようもなく乾いていくのだから困った。見る前からこんな状態ではどうなってしまうのだろうか。開封式をするのだから、と特別なときにしか飲まないバタフライピーの紅茶で喉を潤す。心做しかシーズングリーティングの紺色の表紙に青色のバタフライピーの紅茶が雰囲気として似ていて今日のわたしはいつもよりセンスがいい、と勝手に調子に乗った。丁寧に丁寧に剥がしていたからか思いの時間がかかってしまったがフィルムを開け終わりそのすこし重い箱の上蓋に手をかけた。わくわくする。今回のシーズングリーティングはパイロットモチーフだけれど飛行機に乗って飛び立つ前のわくわく感のようなものを開ける時から感じる。白いお洒落な中蓋を開くとそこにはたくさんのわくわくする素敵なものが詰め込まれていた。胸がぎゅっとなる。毎年シーズングリーティングを開けるときはこのクリスマスの朝にサンタさんにプレゼントを開けた時のような胸の高鳴りを感じられるのか、と思うととても幸せだな、と考えた。

 

まず初めにどれを開けるかとうんうん十数分悩んだ結果ダイアリーを開いた。わたしは日記をつけるのが苦手だ。昔から三日坊主になりやすく「わたしの日々何も変わらない日常の記憶をしたって……」という思いからどれだけ素敵な手帳を買ったってよくて3ヶ月、最短で3日で書くことを放棄してしまう。どうせ書かないのだから今年は日記帳も購入しないでおこうかと思うくらい日記へのモチベーションが下がっていたがこの素敵なダイアリーを見たらすこしだけでも頑張ってみようかな、という気持ちになった。非常に単純だ。でもそれでいいと思う。推しが関わると人間は簡単に単純になってしまうとわたしは感じているし。「威神のみなさま。今年日記を頑張ってつけてみよう、と思う理由になってくださってありがとうございます」と心の中で呟いてみる。もう2022年が開けて少し経ってしまったけれどわたしの今年の目標がまたひとつ増えた。うれしい。威神のみなさまはたくさんわたしに目標を与えてくださるなあ、と思う。今年の目標は少しでも中国語や韓国語、英語がわかるようになること。これも威神のみなさまが与えてくださった目標だ。威神のみなさまに触れると何か新しいことがしたくなる。毎日何も変わらない日々の中で生きているわたしにとっては威神のみなさまに出会ってかなり味の濃い日々に変化した。その幸福をすこしでもこのダイアリーに言葉として書き残せたら見返した時にすぐにその思い出が蘇るな、と思ったら俄然やる気が出てきた。でもその前にわたしはきれいなものを汚すのが極端に苦手な傾向があるためダイアリーをきれいにうまく使えるように色々勉強しなければ、と意気込んだ。また目標がひとつ増えた。

 

次にポストカードの封筒を開ける。開けた途端喉から自然とひ、とちいさな悲鳴が出た。白いお洋服を身に纏ったうつくしくてやわらかくてそれでいてどこか儚さを纏った钱锟さんと目が合う。その瞬間どうしようもなく申し訳ない、という気持ちが心から湧き上がった。こんなにきれいでうつくしいひとをわたしなんかが見させていただけるなんて、と思う。それほどにうつくしく、綺麗だった。ごめんなさい、と思うのに钱锟さんのポストカードをじっと見てしまう。心では謝っていても行動は全く制御できない。まんまるの瞳の中におほしさまを宿してこちらをじっと見つめている姿はあまりにもきれいで、うつくしい。このうつくしい瞬間を写真として残してくださったカメラマンさんにも、こんなにうつくしい钱锟さんにもどうしようもなく感謝の気持ちしか生まれてこなかった。钱锟さんの1枚目を眺めてから10分も経った。あまりにもうつくしい钱锟さんをずっと眺めていた。わたしからしたら一瞬だったから時計を見てびっくりしてまた同時にあまりにも自分の気持ち悪さを知り絶望する。意を決してポストカードを捲る。2枚目も钱锟さんでまたあまりにもうつくしくて驚いた。危ない、これはまた同じ末路を辿る。まだ開けるものが全然残っているのだ。今度はすぐにポストカードを捲る。テンさん、ウィンウィンさん、シャオジュンさん、ヘンドリーさん、ヤンヤンさん。漏れなく全員に小さな悲鳴をあげた。あまりにもうつくしすぎる。かみさまはなんて人たちを生み出してしまったんだ!とひとりの部屋で叫ぶ。ひとりひとりが瞳の中におほしさまを宿していてその光は誰にもうばえないあまりにも綺麗なまばゆさだと呆然と思う。かみさま、ほんとうになんて人たちをこの世に生み出してしまったの、と再度呟く。威神のみなさまを生み出したかみさまともし会えるとするならばわたしは全力で「あなたは本当にセンスのいいかみさまですね!」と褒め称え続けるだろう。

 

ポストカードを開けてからはもうほとんど覚えていない。ただ無我夢中でわくわくするあまりにも素敵なものたちを子供のように開けていたことだけは覚えている。あまりのうつくしさにぎゃあ、と大きな声をあげたりこんなに素敵なものが今自分のものとして自分の手元にあるということのどうしようもない喜びからしくしく泣いたりもした。労働で感じていた疲れなどはとうに消え失せて、胸にはどうしようもない愛おしさと喜びと幸福と大きな愛とすこしの罪悪感だけが残っていた。

 

このブログを書いているときに钱锟さんがちょうどWeiboで生放送を始めた。わたしは中国語が全然わからず何を話しているかも全く検討がつかなかったけれどとてもたのしそうに、いつものかわいらしい笑顔で元気に笑いながら長くなった黒髪をゴムで結いていた。先程のうつくしい写真とのギャップを感じる。どちらの钱锟さんもかわいらしくて、とてもいとしい。钱锟さんっていとしいに手足を生やしたひとだな、といつも思っていることを改めて感じる。いつも思っていることだけれど今日は特につよく感じた。同時に钱锟さんが今こうして自分と同じ時間帯を生きていて、お話ししてくださったり演奏をしてくださっているという事実に不思議な気持ちになった。先程まで見ていたこのうつくしい人は今わたしたちと同じ時間を生きているんだ。それだけで胸がぎゅっとなった。

 

2022.01.14.23:59

シーズングリーティングを見たり钱锟さんの生配信を見て呆然と「威神のみなさま、アイドルになってくださって、そしてアイドルでいてくださってありがとう」とつよく、改めて思った。以前钱锟さんは歌手にならなかったらパイロットになりたかった、というお話をどこかで見かけたことがある。今回のシーズングリーティングを見ていたときにそのお話を思い出して「钱锟さんはもしかしたらこのようにパイロットの格好に身を包んで空の旅をしていたのかもしれない」と思ったらとても不思議な気持ちになった。钱锟さんはとてもすてきな方なのできっとパイロットになっても威神のみなさまがもしひとりでも別の道を選んでいたら現在わたしたちが見ている威神のみなさまはいない。たった一度きりの人生の中でアイドルという選択肢を選んで下さって、愛を伝えてくださっている威神のみなさまにきっとずっと絶えのない幸福と愛と安寧があって欲しいと、今日も希っている。